箱を作るときに重要なことは、何に使うか(用途)と何を入れるか(内容物)です。用途によって箱の材質と形状が決まります。
例えば、輸送に使う箱と化粧品を直接入れる箱とでは条件がかなり違います。用途を大きく三種類に分けることで検討がスムーズになります。
 第一に、外側になる輸送箱は輸送中に汚れたり積み重ねられて重みがかかったりする条件でも、内容物に被害が及ばないような配慮を必要とします。段ボール素材を使い、頑丈な作りにすることが一般的です。
 第二に、直接に商品を入れる個装箱は内容物のアピールとなる見た目(印刷)と内容物の出し入れの容易さとに配慮を必要とします。直接にお客様の目に触れる箱ですので、印刷や箔などで見た目を良くしなければなりません、また、箱を開けたときに商品がどのようにお客様の目に入ってくるかを検討する必要があります。
 最後に、内箱は個装箱を複数きっちりと収納し小分けにして移動させるのを目的とする箱です。小売店舗ではこの箱の状態で保管されますので、内容物を管理しやすいように表示する必要があります。耐久性も美装性も必要有りませんが、内箱を販売用ディスプレイにする事も多く、その場合には見た目と形状に工夫を必要とします。
内容物の入れ方によって箱のサイズや形状が決まります。
箱の中に入れる方向と数で箱の大きさは大きく変わります。内容物の長辺を高さにすると紙の使用量が減り単価が下がりやすいですが、内容物の出し入れが大変になります。

スリーブ式
紙の両端を貼り合わせて筒状にした箱です。
プラスチック製や金属製の外箱として、
輸送中に蓋が開いたり中箱の表面に傷がつくのを防ぐために使われます。
中箱が見えるように窓が開いている物もあります。

タックエンド式(キャラメル箱)
蓋となる部分がついた紙の両端を貼り合わせて筒状にした箱です。
お菓子のキャラメル用の箱によく使われたので、キャラメル箱とも言います。
蓋の差し込み部分に切れ込みを入れることで
内容物の重みで底が抜けるのをある程度防ぐことができます。

地獄底式(アメリカンロック式)
タックエンド式と同じ形式の箱ですが、
底となる部分を4辺についているベロを組み合わせて作る箱です。
タックエンド式と比べてより重い内容物を入れられます。

ワンタッチ式
底となる部分を糊付けすることで左右から押すだけで、簡単に組み立てられるように作られた箱です。
組み立てが簡単で商品のパッケージ作業が効率よく行えます。
底が糊付けされているのでパッケージ可能な重量が他の形式と比べ多いのも特徴です。

トレイ式
蓋と身の2パーツで構成される箱です。
仕切りを中に入れて開けたときの見た目を良くしたり、
内容物の入れ方を工夫して蓋を開けた状態でディスプレイしたりできます。
蓋の開閉が容易なので、包装をしたりスリーブ式と併用したりしないと
輸送が困難です。

A式
一般にミカン箱と呼ばれる箱です。
紙の無駄が無く製造工程も少ないので、
コスト面では有利ですが底部分と蓋部分をガムテープ等で
貼り合わせるので内容物を入れる手間は一番かかります。